83JISと90JIS・97JISの字形

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[07-03-11]


JIS X 0208(いわゆる第一・第二水準)の字形に関して、83JISで変更された字形(78JIS字形)とともに、83JISと90JISの違いを83JIS字形と表現する場合があります。
例えば、InDesign の字形パレットでは、「JIS78字形」とともに「JIS83字形」という選択肢が用意されています。

しかし、78JIS字形と83JIS字形を同じ平面で扱うことには、疑問を感じます。

なぜならば、78JIS字形は、83JIS改正で文字の追加と移動・第一水準と第二水準の入替とともに行われた字形の変更であり、例示字形の書体は同じ写研の石井明朝体であるのに対して、83JIS字形といわれるものは、例示字形を石井明朝体から平成明朝体に変更したことに伴うものだからです。
つまり、83JIS字形とは、書体デザイン差に関わることなのです。

ただし、平成明朝体の字形は、その制作過程の特殊性から、一般の書体デザイン差と同一に扱いかねる側面があることも事実です。
平成明朝体は、1990年の JIS X 0212(補助漢字)の例示字形のために制作が決定され、それに合わせて、JIS X 0208 用の平成明朝体も作られたからです。

とはいえ、83JISと90JISの例示字形の差は、書体デザイン差の範疇であることを見失うべきではないと思います。

実際、「JIS83字形」に関してみると、小塚明朝は、Adobe社のグリフの例示書体であるという性格もあって「JIS83字形」に忠実な字形になっていますが、例えば、ヒラギノ明朝体の場合は、字形差を認めていないものが少なくありません。

また、平成明朝体の場合、その制作過程を考えると、「平成明朝体のJIS83字形」というのは、自己矛盾であるといえます。

ちなみに、90JISと97JISは全く同じです。


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